※このページは「まだネット礼拝が出来なくて困っている教会」を対象とします。
ネット環境では作者がどんな人なのかが分かりません。
お互いの信頼のために最小限の自己紹介は必要かと思います。
このページと関連のあることで自己紹介をしますと…
- 600人規模の教会で遠隔カメラ操作、ビデオスイッチャ操作、教会サーバからのストリーミングを経験しました。
- 150人規模の教会でライブ配信専用機器を使うYouTubeライブ配信、HDMIキャプチャーボードを使うYouTubeライブ配信を経験しました。
- 30人規模の教会で動画編集とYouTube録画配信、ウェブカメラとOBS Studioを使うYouTubeライブ配信を経験しました。
もっといいもの、たくさんの情報を伝えたい気持ちはいっぱいですが、「まだネット礼拝が出来なくて困っている教会」の助けになることを目指しているので、すでにネット礼拝ができている教会の方はこのページから得られる情報が少ないか、もしくは得られる情報がないのかも知れません。このページの目的をご理解の上で読んでくださいますよう、お願いします。
最初に
お伝えしたいことがあります。意外と思われるかも知れませんが、
「他教会を参考にしない」ことです。
教会はそれぞれ「規模(人数・予算)が違います」「会堂の響きが違います」「もっている機材が違います」「操作する人のスキルが違います」「設置場所が違います」「会衆が求める画質・音質の程度が違います」「会衆のネットの活用度が違います」「牧師の理解が違います」… こんなに違います。
ネット礼拝の方法もたくさんあります。その中から1~2教会の例を知ったとしても、そのまま自分の教会に持ってくることは難しいと思います。
だから
このページを作成しました。
それぞれの教会に合うネット礼拝の導入ができますように!
心から願っています。
1.ビジョンを確かめる
ネット礼拝に対する理解(ビジョン)を確かめてください。
- 会堂に集まることができない時だけ、ネット礼拝をする。
:ネット礼拝はいずれは止める期間限定の働きである。
- コロナをきっかけに、礼拝のネット配信を導入し、継続する。
:ネット礼拝はコロナ終息後も継続する働きである。
- 礼拝だけでなく、祈祷会、学びなどもネット配信をしたい。
:礼拝・教育・伝道のために積極的にネット配信を用いたい。
- 見れるだけでは足りない。双方向コミュニケーションも必要。
:動画の視聴者になってしまわないように、祈り・交わりが必要。
などが考えられます。
教会のビジョン(理解)によって
- 誰が操作するか
- ZOOMか、YouTubeか、SNSか(Facebook, LINEなど)
- スマホか、ウェブカメラか、ビデオカメラか、レンズ交換式カメラか
- マイクを設置するか、ミキサーから音をとるか、USBオーディオインターフェースを設置するか
こんなにも変わってきます。
だから、ネット礼拝の導入の前に教会のビジョン(理解)を確かめることがもっとも大事です。
2.人を考える
操作する人、ネット礼拝に参加する人を考慮してシステムを組んでください。
- 牧師先生が操作をする
- 信徒奉仕者が操作をする
- IT機器に慣れている人が操作をする
- IT機器が苦手な人が操作をする
会衆がいない会堂で、牧師先生が操作をするシステムと
会衆がいる会堂で、信徒奉仕者が操作をするシステムは
違うシステムです。
今のことだけじゃなく、今後操作する人のことまでも考えて機材の種類、設置場所を決めましょう。
ネット礼拝に参加する人のこととしては
- ネット礼拝に参加するのは教会員のみ
→ZOOMでもOK - 求道者・不特定多数の人がネット礼拝に参加する
→ZOOMでは対応が難しい。YouTubeがお勧め。 - パソコン・スマホが使える
- アプリのインストールができる
→ZOOMでもOK - パソコン・スマホはあるが、アプリのインストールは難しい
→YouTubeがお勧め
などが考えられます。
3.利用するサービスを決める
このページでは「ZOOM」、「YouTube」だけに絞って紹介したいと思います。
(LINE, FacebookなどSNSを用いたネット礼拝の紹介は考えていません。理由として、①SNSでのネット礼拝を検討して方なら自分で情報検索し、解決できると思いますし、②おそらく個人のスマホで操作することになると思いますが、それは個人の物で、人事異動になると機材もノーハウも教会に残らないからです。教会のビジョンや教会のメンバーによっては、SNSを用いたネット礼拝のほうが向いていて有効活用できる場合もあります。ただ、このページでは紹介しないということをご理解ください。)
「ZOOM」か、「YouTube」か
※低予算でと思いながら、ZOOMを検討している方に知っていただきたいことがあります。ZOOMは有料サービスです。毎月支払いだと月2,200円(税込み)、年間支払いだと年22,110円(税込み)の料金が発生します。年間ウェブカメラ5~6台分のお金がZOOM利用料でなくなると思うと、どうですか?月々支払いだと2ヶ月ごとにウェブカメラ1台です。ZOOMに反対するわけではありません。「低予算」と「ZOOM」はマッチングが難しいんじゃないかという個人の意見です。やはり「1.ビジョンを確かめる」ことが一番です。双方向コミュニケーションを必要とする場合は迷わず「ZOOM」です。「他教会がZOOMだから…」という理由で引っ張られないように注意しましょう。
3-1.ZOOMの使い方
YouTubeですぐ見つかりますからパスします。
3-2.YouTubeの使い方
ユーチューバーにも教会にも共通するものはYouTubeから二つ選びました。(3-2-1, 3-2-2)
それから教会向けのものを一つ作りました(3-2-3)。
3-2-1. YouTubeチャンネルの作り方
googleアカウントをもっていれば、次することはチャンネル作成です。(長さ 3:58)
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3-2-2. もっと細かく「googleアカウント作成」「チャンネル作成」「チャンネル設定」「動画の投稿」入門者に必要なこと全般を紹介しています。(長さ 14:27)
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3-2-3. 「ウェブカメラ」+「パソコン」でYouTubeライブ配信をする方法です。
マイク選択のところを注意して見てください。ミキサーがつながっていれば、ミキサーを、他のマイクがつながっていれば、マイクを選択してください。(長さ 6:21)
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4.操作を行う端末を決める
操作しやすさ、安定性などを考えると断然パソコンでの操作がお勧めです。
ノートパソコン、デスクトップ、どっちでもOKです。
Windows、Mac、どっちでもOKです。
「操作」と「カメラ」と「マイク」を別々に考えましょう。
こう感じるのは私だけかも知れませんが、ノートパソコンのカメラで牧師先生を撮るために逆方向に回してるのを見ると「へん」です。どこにもウェブカメラを売ってなかった時は分かるんですが、今は値上がりはしてても在庫はあります。教会が「へん」に慣れないように、貧窮に見えないように、と私は思うんですが…
Q. スマホでなんとかできませんか?
A. これも個人の意見です。ネットには「こうするば、うまいこと、スマホでできた」情報もあります。しかし、それは「うまいこと」できたんです。このページは「うまいこと」ができず、困っている教会を対象としているため、汎用性のいい端末、安定性のいい端末として「ノートパソコン」、「デスクトップ」をお勧めします。
※教会のビジョンや諸事情によって、スマホ・タブレットでネット礼拝の操作を行う場合もあります。特にスマホはカメラの画質も良く、効率のいい端末です。スマホ・タブレットの場合でも、このページの「6.音をとる方法を決める」をぜひ、ご参考ください。
5.カメラを決める
5-1.「ノートパソコンのHDカメラ」と「Full HDウェブカメラ」の比較
結論は… 歌詞・聖書を映す場合は「Full HD」をお勧めします。
HDとFull HDのサンプルが見れます。(長さ 16秒)
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5-2. ウェブカメラ
少なくてもウェブカメラはあったほうがいいと思います。
ウェブカメラのお勧めメーカーはロジクールです。
世界でもっとも信頼されているメーカーです。
ロジクール(logicool)C920n
・画質:Full HD
・三脚用の穴があって、カメラと同じ方法で固定できる(セロテープ要らない)
・画質+設置の楽まで考えるとこれがお勧めです。
(ユーチューバーの間ではベストセラーです)
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※ウェブカメラはUSB延長ケーブルで延長できます。
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5-3. 三脚
ベルボン(Velbon)全高:153cm
三脚の購入前に必ず「全高」を確認してください。150cm以上のものがいいでしょう。
「写真だけ見て買ったら低かった」と失敗しないように…
ウェブカメラの多くは三脚用の穴がなくて、セロテープで固定することになります。
(それを考えると三脚よりも、マイクスタンドにセロテープで固定して使うのがいいかも知れません。)
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5-4. ビデオカメラ、キャプチャーボード、ビデオスイッチャなど
これについての情報は、このページには書かないことにします。
この情報についてどうしてもスノに聞きたいと思う方は個人的にご連絡ください。
6.音をとる方法を決める
6-1.マイクの音質の比較
「スピーチ用(グースネック)マイク」、「ボーカル用ダイナミックマイク(SM58)」、「格安ピンマイク」、「ウェブカメラのマイク」の音を比較しました。
口とマイクの距離の違いによる音の変化、「聖書朗読の声のみの時」と「賛美を歌う時」の音の違いが分かります。
ネット礼拝は画質より音質のほうが大事です。
画質が悪くてもちゃんと聴くことができれば、メッセージは届きます。しかし、音質が悪ければ、どんなに画質が良くてもメッセージに集中することが難しいです。
この音質の比較をご参考ください。
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※エアコンをつけた状態でテストしました。
※会衆がいない状況を想定してテストしたため、アンプの電源は入れてません。アンプを入れると反響が増えます。
※スピーチ用マイクとボーカル用マイクのテストに格安ミキサーを使ったせいで、普段より若干雑音が入りました。
6-2.ミキサー
ミキサーを使っている教会では、ミキサーから音をとるのが一番です。
- マイクの購入が要らない
- 音質がいい
- ミキサーにつながっているヒムプレーヤー、楽器の音もきれいにとれる
などのメリットがあります。
6-2-1. ミキサーとパソコンをUSBケーブルでつなぐ

上のミキサーのようにUSBケーブルを差し込むところがあれば、USBケーブルでつなぎましょう。
1.8m, 3m, 4.9m USBケーブル
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10m, 15m USBケーブル
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6-2-2. ミキサーの「REC OUT」とパソコンをつなぐ
1m ~ 5m RCA, ステレオミニケーブル
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10m RCA, ステレオミニケーブル
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6-2-3. ミキサーの「PHONES」とパソコンをつなぐ
3.5mm to 6.35mm ケーブル
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6-2-4. 上のケーブルをパソコンに差し込むところは?
デスクトップは「LINE IN」に差し込みます。

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パソコン本体の裏の「水色」のところです。
ノートパソコンはイヤフォンのところへ差し込みますが、
分岐ケーブルが必要です。

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この小さい印にお気づきだったでしょうか?ノートパソコンのイヤフォンを差し込むところは、多くの場合、ヘッドセット用になっています。分岐ケーブルを使うと、イヤフォンとマイク入力に分けてくれるので、ミキサーの音をノートパソコンに入れることができます。ノートパソコンの機種によっては穴が二つ空いていて、イヤフォンとマイク入力が別々になっている場合もあります。その場合は下の分岐ケーブルは要りません。
3.5mm Y分岐ケーブル
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スマホも分岐ケーブルを使うことでミキサーの音をスマホに入れることができます。(iPhoneも、androidも)

6-3.教会の音響と関係なく別のマイクを使う
ミキサーの音をとることができない場合は、別のマイクを設置しましょう。
スマホも、ノートパソコンも、内蔵マイクを使わずに別のマイクを使うことをお勧めします。
なぜなら…
口からの距離が15cmのマイクに入る音を「100」としたら、
口からの距離が150cmのマイクに入る音は、たったの「1」です。
「15cm」と「150cm」の差は100倍あるんです。
※音のエネルギーは距離の2乗分の1に減ります。面積として理解してください。
マイクの収音部の大きさは変わらないので、
・距離が2倍 → 音は4倍の面積に拡散する → 同じ面積(収音部)に届く音は4分の1
・距離が3倍 → 音は9倍の面積に拡散する → 同じ面積(収音部)に届く音は9分の1)
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「1」になった音を「100」に戻すため、機械は音を100倍大きくしますが、このとき、ノイズも100倍になってしまいます。
講壇にネット礼拝専用のマイクを設置する場合は、口からの距離を15~20cmを目途にしてください。ピンマイクを使う場合は上着に付けるのもいいですし、講壇のマイクにピンマイクを重ねてセロテープで固定するのもいいと思います。ピンマイクを講壇の台の上に置くなど、口から何十センチも離れたところに置いて音をとる使い方はお勧めしません。
Q. ウェブカメラ(のマイク)は口から結構離れているのに、どうして十分声が聞こえるんですか?
A. ウェブカメラ(のマイク)は人の声に特化した作りになっています。さらに、ZOOMを使うと、人の声がきれいに聞こえるようにソフトウェアで処理をしてくれるので、声が聴きとりやすくなります。ただ、人の声に特化している分、「ウェブカメラ(のマイク)+ZOOM」の組み合わせは賛美には不向きだということが分かります。
※普通は50~70cm程度の距離で使うウェブカメラを150~200cmの距離に置いて使うと、音は「9分の1」~「16分の1」に減ってしまいます。単純計算すると9倍の雑音、16倍の雑音を経験することになります。
説教者とマイクの距離は15~20cmがお勧めです。
6-3-1. ピンマイク
BOYA 無指向性ピンマイク BY-M1
コスパのいいピンマイクとして有名です。
上の音質テストに使われたピンマイクがこれです。
ミキサーが使えず、低予算でマイクを購入したい教会にお勧めです。
※口からの距離15~20cmを目途にしてください。
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